2016/08/06

Knit 3 家庭用ミシンでニットを縫う 縫い模様を駆使し何とかする。

家庭用ミシンを使ってニットを縫うとき、糸や資材を新たに買い足さずに、家庭用ミシンの縫い模様を使って、いかに縫うかについて今回書いて行きます。

地縫い-------------------------------------------------------------------

ニット生地の縫い合わせ(地縫い)を家庭用ミシンでする場合、まず一番最初に考えられるものが、伸縮縫いです。
上記写真 15番が伸縮縫い
今の家庭用ミシンはこの縫い模様がついているものも多いです。この縫い模様がついたミシンをお持ちの場合は、まずはこの縫い方で縫ってみるのがいいと思います。
ただし、あまり伸縮する生地には向かないようなので、試し縫いをして大丈夫か見てみることをお勧めします。

伸縮縫いがない場合は、縫い合わせる布を待ち針かクリップでしっかり止めてから、ミシンの前後に同じ力で引き伸ばしながら直線で縫うと良いようです。


●端かがり-------------------------------------------------------------------
ニットの端かがりを家庭用ミシンでする場合、ジグザグか3点ジグザグが最も一般的です。
9番の模様が3点ジグザグ
ジグザグや3点ジグザグのほかにも、家庭用ミシンでも機種よっては、ニットの端縫いに向いた色々な縫い模様があります。
最近の日本メーカーの家庭用コンピューターミシンなら、色んな模様がついているものも多いですし、模様縫いが少な目の電子・電動ミシンでも自分のミシンの説明書をじっくり見てみてください。ニットの端かがり、縫い合わせなどに向いた縫い方が何かみつかるかもしれません。

ベルニナの場合は、こんな感じで説明書にも掲載されています。


なお家庭用ミシンでニットの端かがりをする際は余裕をもって生地を切っておいて、縫った後に、余分な布をはさみでカットしたほうが綺麗に仕上がります。出来上がりの寸法どおりに生地をカットしてかがり縫いをすると生地が丸まりやすくなります。特に薄めの生地の時は要注意です。


裾や袖の処理---------------------------------------------------------------

裾や袖の処理など表から見える部分は、既製品ではジグザグや伸縮縫いで処理してある事はないですし、出来れば直線であってほしいと思うのではないでしょうか。

そこで、ニット用の糸を買わないで何とか家庭用ミシンで縫いたいという人に私がお勧めするのは、3重縫い、伸縮強化縫いです。

上記 6番の縫い目が3重縫いです。
全ての家庭用ミシンについているわけではないですが、3重縫いは昔の70年代、80年代の電動ジグザグミシンでもついているものがありましたので、多くの家庭用ミシンでついている模様です。

ただ、ベルニナミシンの説明書でも3重縫い(トリプルステッチ)は厚くて丈夫な生地、補強縫いにと書かれていますし、私もジーンズ・デニムのチェーンステッチ縫いの代わりに縫い目を強くするためのものかと思っていました。
しかし、あるミシンのサイトで直線3重縫いは伸縮強化縫いと言われる、と書かれていたので、これはニットに使えるものなのか、一度試してみることにしたのです。



実際に縫ってみると、縫ったあと伸ばしてみても糸は切れず、生地の伸縮にも付いてきます。伸縮しない糸であり、普通のミシン糸であるスパンで縫っても伸縮します。伸ばしてみても糸切れすることはありませんでした。

ただし、伸縮する生地をそのまま家庭用ミシンで3重縫いすると、縫い目がよろよろと不安定で、綺麗な直線になりません。これであれば伸縮縫いでも変わらないなーと感じる縫い目になってしまいました。直線用針板と直線用押えであれば安定するのではと思い、試してみましたが、少しはよくなりましたが、それでも縫い目がよろよろとしてきれいとは言い難い。

それで次に紙を下に敷いて縫ってみたところ、3重の直線が綺麗にできました
3重の縫い目は縫い目が頑丈なので、縫った後に紙を引きはがす際、紙の破片が残ることがあり、それを取り除くのが面倒ですが、少し手間をかければ、家庭用ミシン、スパン糸でニットが縫えます。

紙を下に敷くと、送りも安定して、生地が針板に食い込まず、スムーズに縫えます。布帛を縫うのとほぼ同じ状態で縫い進められます。

写真では敢えてわかりやすいように、白い糸を使っているため、やや雑な印象をうけるかもしれませんが、、同系色の糸にすればそれほど目立ちません。一応1本の直線なので、ジグザグや伸縮縫いで処理してあるよりは、こちらの方がスッキリして見えます。




以上、今回は針も糸もニット用のものはないが家庭用ミシンの縫い模様を使って、ニットを縫うやり方を紹介しました。
ただし、これはあくまでもまったくお金をかけない形で何とかする方法です。よって、端処理は上記の方法で問題ないですが、地縫いや裾処理ではニット用の糸を買ったほうがいいです。

次回ニット用の針と糸(数百円程度で購入できるもの)を使ってより綺麗に縫う方法を紹介します。

3 件のコメント:

  1. すごいです。

    excelの簡単な関数などを仕事で使うのですが、分からない時よくお世話になるホームページがあります。そのホームページはかなり印刷保存してあるのですが、何だかこちらもそんなことになりそうです・・・

    ベルニナの取説画像がある様ですが、因みにどの機種の取説ですか?

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    1. コメントありがとうございます。ニットに関してはもっと深く追及して、いくつも縫っておられる方がいるかと思い、投稿をするのに躊躇する部分もありましたが、情報がご参考になればうれしいです。

      投稿画像はRCM-1230のものと、ベルニナ・アクティバ130の説明書です。
      ベルニナの説明書は上記機種の時代から現行(HPからダウンロード可)のものまで、縫い模様の使用例などのページはほぼ同じ内容ですので、どれでも参考になるかと思います。

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  2. ありがとうございました。

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